僕等は、それを恋と呼んだ。
片思いの終わり
「俺、お前が好きになった」
大好きな人が、いた。
大好きで大好きで仕方ない人がいた。
でも、その人には彼女がいて。
しかも、そりゃもう何て言うか可愛くて。
その上、普通は可愛い子って性格悪いとか男タラシとかって言うのがお決まりな筈なのに、
性格も悪くなくて。
てか、良くて。
男タラシなんて噂は何一つなくて。
とにかく、そんな事より二人はラブラブで。
だから…、諦めるしかないって思ってた。
好きになんか、なっちゃいけなかったんだって思ってた。
あたしは、笈原(おいはら)を好きでいちゃいけないんだって思ってた。
「…え?何て言った…?」
自分でも驚く程、冷静にそう言えた。