僕等は、それを恋と呼んだ。
……あ。
別れたけど…仲良いんだ…。
気まずいとかないんだ…。
正直、あたしは別れたら気まずくなるタイプだから、何だか不思議だ。
うん……
良かったような…
でも、微妙なような…
何だか複雑な気持ちになる。
「あ」
ジーッと梨音ちゃんを見てると目があって、一瞬あたしは目を見開く。
…わわっ。
見てたのバレた!
「あ…、えと詩乃佳ちゃんだよね?」
「へ!?あの、え?はい!」
「幸せにね。
…ってあたしが言うのも変だね?
じゃあ、またね。利揮」
そう言って梨音ちゃんは可愛らしく笑うと、去っていった。