僕等は、それを恋と呼んだ。

繋いだ手




「じゃあ、ばいば~い」

「またねー」



放課後。


あたし達は校門で、亜紀と依知菜と、依知菜についてく真島と別れる。



「んじゃ、行こうぜ」

「う、うん」


笈原との初デート。



今まで二人きりになった事なんてあるけど、
いざデートとなると緊張する。


意外にあたしは乙女なのかもしれない。



「…あれ。てか笈原、自転車じゃないの?」

「今チャリパンクしてっから、今日は電車ー。

つか、街の方行こ」


そう言われ、ぎゅっと手を握られて。



「え!!!!」


思わず驚いた。




「え?何?嫌なのか!?」

「ち、違っ…ビックリした」



嫌なわけなんてあるわけない。


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