僕等は、それを恋と呼んだ。
「なぁんだ」
へへっと笈原は笑うと、あたしの手を引っ張ってく。
ドキドキ。
今、あたしの神経が手に集まってる!
絶対集まってる!すごく集まってる気がする!
いやね、別にそのね、
手を繋ぐのが初めてとか、もちろんそうゆうんじゃないけど!
そこまでウブじゃないけど!
…まぁ、でもしばらく彼氏いなかったけどさ。
「……」
でも、あたしに比べたら笈原は手くらい全然余裕かな、やっぱり。
なんか慣れてる感じ、とか思っちゃうし。
……いつも梨音ちゃんと繋いでたたもんね、手。
こうやって、梨音ちゃんともデートしてたんだよね……。
「矢田どっか行きたい?」