僕等は、それを恋と呼んだ。



「なぁんだ」


へへっと笈原は笑うと、あたしの手を引っ張ってく。



ドキドキ。



今、あたしの神経が手に集まってる!

絶対集まってる!すごく集まってる気がする!



いやね、別にそのね、


手を繋ぐのが初めてとか、もちろんそうゆうんじゃないけど!



そこまでウブじゃないけど!


…まぁ、でもしばらく彼氏いなかったけどさ。



「……」


でも、あたしに比べたら笈原は手くらい全然余裕かな、やっぱり。


なんか慣れてる感じ、とか思っちゃうし。



……いつも梨音ちゃんと繋いでたたもんね、手。


こうやって、梨音ちゃんともデートしてたんだよね……。



「矢田どっか行きたい?」


< 36 / 304 >

この作品をシェア

pagetop