僕等は、それを恋と呼んだ。
「あ!あの子ってさ、確か先輩と付き合ってた子だよね?」
「へぇー。そうなんだっ」
……。いや、うん、ね?
間違ってないよ?
確かに高1の頃、1こ上の先輩と付き合ってたけどさ……。
てか何でそれは知ってるのに、あたしの名前は知らないの……とか少し思ったり。
あーもうっ!
なんか、居心地悪い!
「よっ!」
そんな事を考えてると、能天気な笑顔の笈原が教室に入ってきた。
「おはよ、矢田」
笑ってそう言われ、さっきまでのイライラがすぅっと消えていく。
「おはよ。今日、早いじゃん」
「おぅ!チャリ直ったからさ!」
「あ、直ったんだ」