僕等は、それを恋と呼んだ。



「する」


笈原は実は何気にバスケ部に入ってる。


しかも何気に部長だったりして、結構上手かったりする。


ちなみに、あたしはもちろん帰宅部。


「よし、決まりな」


笈原はまた笑うと、ワシャワシャとあたしの髪に触れる。


それにドキドキする。



……笈原は気付いてるのかな?


こうやって笈原が笑うたびに、あたしに触れるたびに、

あたしはどんどん笈原が好きになってるよ。




悔しいくらい、大好きよ。



「矢田行きたいとこある?」

「…ハワイに行きたい」

「……。うん、決めといてな」



あたしの冗談をスルーした笈原は、そう言って席につく。



……あのやろう。

普通にスルーしたな、こら。



まぁ、でも、うん。


日曜日が楽しみだなぁ。



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