僕等は、それを恋と呼んだ。



分かってる。


こんなのは、どうしようもない、ただのやきもちだ。



「……笈原」

「ん?」


「あたしって、どんな人間かな…?」

「んー?」



悩んだようにそう言う笈原にドキドキする。



「あ、アホでバカで変な奴」


って、ガーン!!!




ちょ…、ええええぇぇぇ!?



たっ、確かにバカでアホで、ついでに変な奴だけど…


否定はできないけれども!



ひどくない!?


てか、ひどい!


ひどいよ、笈原さんよ!




「ぷっ。何だよ、その顔。

俺、そんなお前嫌いじゃないよ?

アホでバカで単純で、変なとこ鈍感で、
変なとこ気使って、無意味に強がりで、そのくせやること結構むちゃくちゃで…」


「もう、いいです」



そうツッコミを入れると、また笈原は笑った。


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