僕等は、それを恋と呼んだ。



「うけんな、マジで」



横では、あたしと同じ様にケータイに貼ったプリクラを見てケラケラと笑う笈原。



そんな、笈原に嬉しくなる。


好きだって思う。




…こんな風にちょっとずつ二人の思い出が増えていくのかな、なんて。



ねぇ、笈原。



でもあたし、やっぱりバカなのかも。


今ね、笈原とプリクラを撮ってすっごく、ものすっごく幸せなのに。



すごく本当に嬉しいのに。


なのにね。




「じゃ、帰るかっ」

「……うん!」



今日ケータイに貼ったプリクラをいつか剥がす時が来たりするのかな、なんて思って胸が苦しくなったんだよ。


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