僕等は、それを恋と呼んだ。



「いや、あの、」


とりあえず人の邪魔にならない様に、二人で廊下の端に座りこむ。



はぁ、と一度ため息をついてから、あたしは口を開いた。





「そうゆうの気にするもんかぁ?」


あたしの話を聞きおえた湊は言う。



笈原と付き合って、幸せだけど、
別れることを考えて怖いこと。


知っていく内に、こんな風に梨音ちゃんは笈原のことを知っていたんだと気にしちゃうこと。



手を握るだけで、自転車の後ろに乗るだけで、梨音ちゃんを思い出しちゃうこと。





思ったままに、あたしは湊に話した。



「…湊は気にしないの?
自分の彼女と前の彼氏の事とか…」

「全く」

「すごいラブラブなカップルだったって知ってても…?」



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