僕等は、それを恋と呼んだ。



「いやいや…っ」


奢るって…!



「だって、こないだジュースとかプリクラも奢ってくれたじゃん!」


そうだよ。


さすがに、悪いよ。


だって、同い年なのにさぁ!



「大丈夫。

俺、バイトしてるし」



いや、バイトしてる事は知ってるけど……



「いや、あたしちゃんとお金あるもん!払う」

「払わなくていいから。ほら、早く行こうぜ」


あたしの持ってたお金を、無理やりあたしのポケットに入れた笈原は手を繋いで歩き出す。



「…ちょ、笈原…」


「いいから、いいから。
彼氏なんだし、格好つけさしてよ?」



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