僕等は、それを恋と呼んだ。



「ううん。別にぃ」

「なんか、ニヤけてるし。教えろ!」

「秘密~~。
って、ぎゃっ!!やーめーてー!」



手を繋いでない方の手で、髪の毛をグシャグシャにされる。


…こ、このやろう!



「仕返しっ」


そう言って、あたしは笈原のお腹にチョップ。


「痛ぇよっ!!」

「あはははは」


お腹を押さえる笈原が可愛い。


う、うける…!



「何笑ってんだよっ」

「ぎゃーっっ!」

「このやろっ」


そんな風にじゃれあっている時だった。



「―――詩乃佳?」



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