『心のない街』



 心がなくなって、一体どうやって人を愛することが出来るというのだろう?


 決して僕はその病に陥ったわけではない。そして僕が愛した彼女は、この病にかかっているかどうかは、まだ知らない。


 この病にかかっていないことを祈る毎日だ。


 だから僕は信じてもいない神様を、都合よく神様に仕立て、毎夜黙祷する。
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