アリスズc
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「こんにちは、景子」
「こんにちは、コー」
にこにこにこにこ。
エンチェルクは、この二人の会合に立会いながら、つい苦笑を洩れさせてしまった。
コーが型破りならば、太陽妃もやはり型破りだったのだ。
そして、どちらにも天真爛漫さがあった。
毎日を、幸せだと思って暮らしているのが、心の底からにじみ出ている。
「鳥を安全に森に返したいのですが、景子には出来ますか?」
コーが木を見上げると、太陽妃もそれに倣った。
「この鳥は、私を信じてついてきてくれるかしら」
さすがの彼女も、鳥は専門外らしく自信なさげだ。
「私が、一緒にいきます。きっと、彼女もついてきてくれると思います」
懸命に話すコー。
そんな彼女を、太陽妃はゆっくりと見つめた。
硝子の向こうの瞳は、とても優しげで。
「それじゃあ、この鳥に聞いてもらえるかしら? 遠くて時間はかかるけれども、誰も人のいない森がいいのか、近くて人がいても追われる心配のないところがいいか」
太陽妃は──とても魔法の存在に慣れていた。
イデアメリトスの妃であり、トーの知り合いでもあり、そして、自分自身も何らかの力があるという。
だから、そんな奇妙な質問でさえ、当たり前のように出来るのだ。
さえずりが聞こえる。
大きな鳥らしい、少し低くて長い音。
その音を出したのは、鳥ではなくてコーだったが。
樹上の鳥が、答える。
エンチェルクの耳にさえ、答えに迷いがあるように聞こえるのは、コーに毒されたせいか。
彼女が、首を斜めに傾ける。
右に、左に。
「景子、近いところに、私は自由に行き来出来ますか? 出来るなら、人がいてもいいそうです」
「そう、ではあなたが自由に出入りできるようにしましょう」
彼女の言葉に、太陽妃は笑顔で応えた。
「こんにちは、景子」
「こんにちは、コー」
にこにこにこにこ。
エンチェルクは、この二人の会合に立会いながら、つい苦笑を洩れさせてしまった。
コーが型破りならば、太陽妃もやはり型破りだったのだ。
そして、どちらにも天真爛漫さがあった。
毎日を、幸せだと思って暮らしているのが、心の底からにじみ出ている。
「鳥を安全に森に返したいのですが、景子には出来ますか?」
コーが木を見上げると、太陽妃もそれに倣った。
「この鳥は、私を信じてついてきてくれるかしら」
さすがの彼女も、鳥は専門外らしく自信なさげだ。
「私が、一緒にいきます。きっと、彼女もついてきてくれると思います」
懸命に話すコー。
そんな彼女を、太陽妃はゆっくりと見つめた。
硝子の向こうの瞳は、とても優しげで。
「それじゃあ、この鳥に聞いてもらえるかしら? 遠くて時間はかかるけれども、誰も人のいない森がいいのか、近くて人がいても追われる心配のないところがいいか」
太陽妃は──とても魔法の存在に慣れていた。
イデアメリトスの妃であり、トーの知り合いでもあり、そして、自分自身も何らかの力があるという。
だから、そんな奇妙な質問でさえ、当たり前のように出来るのだ。
さえずりが聞こえる。
大きな鳥らしい、少し低くて長い音。
その音を出したのは、鳥ではなくてコーだったが。
樹上の鳥が、答える。
エンチェルクの耳にさえ、答えに迷いがあるように聞こえるのは、コーに毒されたせいか。
彼女が、首を斜めに傾ける。
右に、左に。
「景子、近いところに、私は自由に行き来出来ますか? 出来るなら、人がいてもいいそうです」
「そう、ではあなたが自由に出入りできるようにしましょう」
彼女の言葉に、太陽妃は笑顔で応えた。