短編集
赤いハンカチ
赤いハンカチ
「私は」
真っ先にリナが言う。
「ピンクだなぁ」
私たち四人の真ん中には雑誌が置いてある。この服が可愛いとかサンダルが欲しいとか言い合っていたけど、『好きな色でわかる! あなたの性格診断』のページでページを捲るヒロの手が止まった。
「リナは頭の中がピンクなんでしょ。ミヤウチ君のことばっかり」
私は、リプトンのミルクティーを飲みながら突っ込む。ショーコとヒロが笑った。元が可愛い二人が笑うと、それはそれは可愛い。
「私は緑かなー。なんか好き」
「あーサオリはそんな感じする」
リナが喋る途中でチャイムが鳴り出した。昼休みが終わって三限が始まる合図だけど、今日は休講。私たちは引き続き学生ホールにて駄弁る。
「わたしは……淡い黄色が好き」
ヒロが言う。ヒヨコみたいだな、といつも思う。「淡い黄色」のアンサンブルを着ているからだけじゃなくて、ふわふわした雰囲気と、守ってあげたくなるような可愛さがある。
ショーコも同じようなことを考えていたみたいで、ふっと微笑んだ。
「ショーコは?」
私はショーコに聞く。ショーコの言動や服の趣味から考えて。
「黒」
やっぱり。
「私は」
真っ先にリナが言う。
「ピンクだなぁ」
私たち四人の真ん中には雑誌が置いてある。この服が可愛いとかサンダルが欲しいとか言い合っていたけど、『好きな色でわかる! あなたの性格診断』のページでページを捲るヒロの手が止まった。
「リナは頭の中がピンクなんでしょ。ミヤウチ君のことばっかり」
私は、リプトンのミルクティーを飲みながら突っ込む。ショーコとヒロが笑った。元が可愛い二人が笑うと、それはそれは可愛い。
「私は緑かなー。なんか好き」
「あーサオリはそんな感じする」
リナが喋る途中でチャイムが鳴り出した。昼休みが終わって三限が始まる合図だけど、今日は休講。私たちは引き続き学生ホールにて駄弁る。
「わたしは……淡い黄色が好き」
ヒロが言う。ヒヨコみたいだな、といつも思う。「淡い黄色」のアンサンブルを着ているからだけじゃなくて、ふわふわした雰囲気と、守ってあげたくなるような可愛さがある。
ショーコも同じようなことを考えていたみたいで、ふっと微笑んだ。
「ショーコは?」
私はショーコに聞く。ショーコの言動や服の趣味から考えて。
「黒」
やっぱり。