短編集
「こういう診断とか占いってさ」
「私、大好き!」
人の話にリナはすぐ割り込む。そんなこと言われたら、あんまり当てにならないよね、って言えないじゃん。
「私も結構見るよ」
「本当?」
ショーコの一言に私たちは揃って彼女の顔を見る。
「今日、赤いハンカチを持ってるのは、朝の占いで最下位だった人達かな、とか。ね、ヒロ」
ヒロは顔を赤くしている。ヒロのバッグの中に赤いタオルハンカチが見えた。
十人十色、って言うでしょう?
占いとかって、十人どころか不特定多数を十色に分けようとするから、あまり好意的になれないんだよね。私の何がわかるのよ、と思ってしまう。そう思うかどうかも、十人十色、か。