短編集
「千葉の、実家ですか?」
恐る恐る聞くと、満足げに頷く璋子さん。これが正解らしい。
「今すぐ出て、高速飛ばして、太平洋からの日の出を見て、きー君の家で筍掘り!」
決めた、と璋子さんは手を打って、ケトルに水を入れて沸かす。
「田舎ですよ。辺りに何もない、ど田舎」
「海があって山があって、素敵じゃない」
小さめの旅行鞄に、ジャージを詰めている。
「筍掘りってスニーカーで平気?」
「まだアルコールが抜けてないんじゃないですか」
「きー君、ほとんど飲んでないでしょ。高速乗ったら運転代わるから」
お湯が沸いた、とケトルが鳴り、僕はコンロの火を止めた。璋子さんは手際良くコーヒーを入れて、魔法瓶に注ぐ。
「なに、嫌なの? 紀井君」
恐る恐る聞くと、満足げに頷く璋子さん。これが正解らしい。
「今すぐ出て、高速飛ばして、太平洋からの日の出を見て、きー君の家で筍掘り!」
決めた、と璋子さんは手を打って、ケトルに水を入れて沸かす。
「田舎ですよ。辺りに何もない、ど田舎」
「海があって山があって、素敵じゃない」
小さめの旅行鞄に、ジャージを詰めている。
「筍掘りってスニーカーで平気?」
「まだアルコールが抜けてないんじゃないですか」
「きー君、ほとんど飲んでないでしょ。高速乗ったら運転代わるから」
お湯が沸いた、とケトルが鳴り、僕はコンロの火を止めた。璋子さんは手際良くコーヒーを入れて、魔法瓶に注ぐ。
「なに、嫌なの? 紀井君」