ナンセンス!
車に乗っていたのは、おそらく幹部だろう。
最初、常盤の数人が殴り倒され、路上に転がったが、多勢に無勢。 段々と取り押さえられ、ボコボコに殴られている。 やがて3人の男たちは、駐車場に止めてあった例のミニバンまで、みこしを担ぐように運ばれて行った。
3人とも、ぐったりしている。 遠目で見ても、半殺しのようだ。 可哀想に・・・
マサが言った。
「 ヤラれたのは、副長と特攻隊長のようですね。 もう一人は、おそらく、組頭でしょう 」
3人の男を拉致したミニバンは、数人の男たちを乗せると猛スピードで発進し、駐車場
を出て行った。 多分、学校へ戻り、クーデター発起と、その成功を発表するのだろう。 ここまで来れば、成功したも同然だ。 あとは、大御所の始末である。
残った常盤の連中が、マンションの入り口に突入した。
それと同時に、芹沢ちゃん配下の我が鬼龍会風紀局も出動である。 バンの後部扉が開け
られ、常盤の制服を来た部員たちが、一斉に踊り出て来た。
この人数でかかれば、矢島がいくら抵抗しようが、勝ち目は無いだろう。 もしかして僕の出番、無いんじゃないの? 嬉しいな。
マンションの中から騒ぎ声が聞こえる。 始まったな・・・!
どうやら、玄関ホールの辺りで騒いでいるようだ。 まだ部屋には踏み込んでいないらしい。 どういう事だ・・・?
僕の携帯に、連絡が入る。 芹沢ちゃんからだ。
「 涼子か? どうした? 手こずっているようだな 」
『 エレベーターホールに、護衛がいました! 2人です! かなりのヤリ手です・・・! 』
芹沢ちゃんの声の後ろから、殴りあう音や、うめき声が聞こえる。
『 一人が、携帯で応援を呼んでいました。 まずいです・・・! ゴタゴタしてると、応援が来ます! 』
ヤバイ。
そのうち、警察も来る事だろう。
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