ナンセンス!
コージと呼ばれた刺青男が答える。
「 承知しました! 杯のポン酒は、大吟醸にします? 」
それを聞いた神岡が、ニコニコしながら振り返ると、僕に聞いた。
「 宜しいですか? 総長。 旨い地酒もあるんですが? 」
・・・あのな。
僕は答えた。
「 ジュースにしなさい 」
「 ・・・は? 」
「 アップルジュースがいいです。 出来れば、○っちゃんで 」
『 ○っちゃん りんご 』は、かすみのお気に入りである。
「 ・・・なるほど、総長は、ゲコでいらっしゃるのですね? 分かりました。 総長のは、○っちゃんのアップルジュース、と言う事で・・・ 」
僕は言った。
「 皆さんも、そうして下さい。 校内で飲酒など、とんでもない事です! 」
「 ・・・・・ 」
コージの後ろで正座していた男が、隣の男にささやいた。
「 アップルジュースで、杯・・ 交わすのか・・・? 」
神岡が、コージに言った。
「 コージ・・・ 全員、○っちゃんだ 」
「 ・・・へい・・・ あのぉ~・・ その後に、懇談会がありますが・・・ ○っちゃんで、肴をつまむんスか? 」
僕は、コージに提案した。
「 ○ッキーにしましょう! 」
「 ・・・はい? 」
「 イチゴ○ッキーです! 決まりっ! 」
「 ・・・・・ 」
無言のコージ。
神岡がコージの方を向いて、静かに、強く、言った。
「 ・・・イチゴ○ッキーだ! 聞こえねえのか? 」
言いながらも、少し、目の下をプルプルさせている。
「 ・・・へい。 イチゴ・・・ っスね・・・? 」
後ろの男が、また隣の男に耳打ちした。
「 おい・・ イチゴ○ッキー、だとよ・・・! 」
「 バカ、うめえんだぞ? アレ 」
僕は言った。
「 今回は、特別に私からも、ご挨拶の品を持って行きます。 ○っぱえびせん一ダース! 親戚に、卸をしている叔父さんがいるの 」
「 ・・・・・ 」
声が無い神岡。
後ろの連中が、再び耳打ちした。
「 ・・・○っぱえびせんだと 」
コージが、ぼそっと神岡に言った。
「 オレら・・・ 完璧に、更生出来るような気がして来ましたわ・・・ 」
神岡も、つぶやくように答える。
「 そうだな・・・ 最初は、辛そうだがな・・・ 」
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