ナンセンス！

サバラスは、言った。
｢ 健一クンは、元に戻ったようだ。 彼は今、正座したまま、固まっておるよ。 今回から、相手の記憶を凍結する事にしたのだ。 しかも、入れ替わっていた期間の記憶は、元に戻った時、本人の記憶に刷り込まれるようにしてある。 凄いだろう？ ｣
失敗したのに、ナニが、凄いだろう？ だ。 感動せんわっ・・・！
大体、失敗した時の事が、そこまで用意周到に計画されているトコが気に入らん。 成功
する可能性が、限りなくゼロに近いようじゃないか！　本格的に、不安になって来たぞ？　大丈夫か？　お前らの計画・・・！
・・・健一が、元に戻っていると言う事は、僕と美津子先生が入れ替わったワケか。
僕は、サバラスに尋ねた。
｢ ・・僕の体は・・ 今、ドコにいるんだ？ ｣
｢ 隣の部屋にいるよ？　回収しておいた ｣
・・・僕は古新聞か。
サバラスが続ける。
｢ 記憶凍結と共に、不足に事態に備えて、今回から、相手の体を回収しておく事に
したのだ。 マネキンみたいに、止まっておるよ。 はっはっは！ ｣
笑うな、あぶらすまし！
サバラスは言った。
｢ そんじゃ、私は、失礼するよ。 食事の時間なのでね。 次回は、明日だ ｣
・・なっ・・？
待たんか、てめえっ！　やるだけやって、失敗コイて・・ シケ込む気かっ？　悠長にメシ食ってる時間があるんなら、元に戻したらんかい、コラ！
｢ 待てっ、サバラ・・ ｣

・・・ヤツは、消えた。