ナンセンス!
おしぼりを持っていたヤツが、かすみに尋ねる。
「 総長、お知り合いで? こちらの姉さん・・・ 」
かすみが言った。
「 ・・あ、うん。 親戚の、従兄弟姉さんなの 」
とっさに、僕は、従兄弟にされた。 まあ、順当な設定だ。 さすが、かすみだ。 頼もしい。
○っちゃんりんごを持っていたヤツが、言った。
「 お帰りですか? 総長。 お疲れ様です! あとの換金は、オレらでやっておきます。 神岡さんに渡しておきますんで、後日、受け取って下さい 」
かすみは、ドル箱の一つを指差し、言った。
「 この一箱は、皆さんで、遊んで下さい。 今日は、とても楽しかったです。 ありがとう 」
お辞儀をしながら、礼を言うかすみに、仙道寺の連中は慌てた。
「 そそっ、そんな・・ 礼なんて、いいっス! 頭上げて下さい、総長・・! オレらの方こそ、すっげえ~イイ気分、させてもらいましたわ! 」
「 あなたたちが、薦めて下さった台で打った結果です。 存分に、遊んでいってね 」
「 ありがとうございます。 かすみ総長・・・! 」
一斉に、お辞儀をする、仙道寺の面々。
少しづつ、総長としての気配りも分かって来たようじゃないか、かすみ。
僕らは、店を出た。
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