ナンセンス!
「 何か、食っていくか? 」
ファミレスを指しながら、僕は言った。
「 そうね・・ 夕食を、すっかり忘れてたわ。 パチンコ屋さんから、家には、遅くなるってメールしておいたから、食べて行こうかな 」
入り口を入ろうとすると、建物の陰から、男が近付いて来た。
「 ? 」
男は、僕を見据え、じっとしている。 誰だ? 知らんぞ、コイツ・・・?
歳は、35歳くらい。 短めの髪に、濃紺のスーツ姿。 無精ヒゲを生やし、わりとイケ面だ。 僕( 美津子先生 )に、用があるのかな?
男は言った。
「 美津子さん・・・ 」
ヤバイ。
この男は、美津子先生の知り合いらしい。 話しを合わせなくてはならないが・・・
でも、どういう関係なのか、さっぱり見当がつかない。 ファーストネームで呼ぶってコトは、それなりの関係なのだろう。 もしかして、恋人か・・・? でも、何だって隠れるようにしてたんだ? 待ち伏せしていたようにも見えたぞ・・・?
男は続けた。
「 ・・今日は、ちょっと食事の時間が遅いね。 話しがあるんだけど、いいかい? 」
いつも、このファミレスで、美津子先生は食事をするのか? そう言えば、美津子先生のマンションの部屋には、自炊をしている生活感が無かったな・・・
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