ナンセンス!

3

三時間目の放課後、恐れていた事態が、発生した。
・・・尿意である。
無く子も黙る、鬼龍会 会頭の星野でも、人間なのだ。 トイレにだって行く。 今、その自然の摂理が僕の意思を無視し( 当たり前 )、朝から経験した幾多の危機以上の試練を超越する勢いで、僕に襲い掛かって来たのだ。
まさか失禁するワケには、いかない。
我慢して尿毒症になったら、体が、めでたく元に戻った時に、星野に申しわけが無い。
僕は、トイレに行った。

いつものクセで、男子トイレに入りそうになった。
イカン、イカン・・・!

キレイな、トイレだ。 汚れ一つ無い。
僕が通っていた学校のトイレは、ここに比べたら、水洗とボットン式くらいの格差がある。
個室の中なんぞは、ヒワイなセリフが添えられた低俗なイラストがペイントされ、中には、ご丁寧に着色まで施されている『 作品 』まであった。
落書きの返事をその下に書き、更にその返事を下に書き、またその批評を下に列挙
する・・・ BBSか、無期限リアルタイムのチャットみたいだ。
また、それを読んで、その横に挿絵を投稿する輩もおり、まさに、瞑想メモリアルパークの様相を呈していた。
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