ナンセンス!
向こうも、同じように挨拶をした。
( 誰だ? この人・・・?
  昨日、親戚かなんかの人が、泊まったのか・・・? )
寝起きで、頭が働かない僕は、ワケが分からなくなった。
じっと、彼女も、僕を見ている。
「 ・・・・・ 」
歯磨きを動かす、僕の手が止まった。
( ・・・オレじゃん・・・ )
そうだ。
鏡に映ってるってコトは・・ 僕じゃないか・・・
は? ど~ゆ~コト? 何で僕、女の人になってんの?
これは、夢の続きを見ているのかもしれない。 僕は、ほっぺたを、つねってみた。
・・・痛い。 夢じゃなさそうだ。
左手で、髪を引っ張ってみた。
「 ・・・・・ 」
地毛だ。
セミロングより、やや短めであるが、間違いなく、僕の頭から生えている。
カツラかと思ったが、そうではない。
顔の輪郭も違う。 明らかに、他人の顔だ。
「 ・・・・・ 」
僕は、僕であって、僕なのだ。
・・・でも、あなたは、誰~れ?
どっきりカメラか? 僕は、慌てて、隠しカメラがないか、天井付近を探した。
そんなコト、あるわけない。
僕は、タレントでもなければ、歌手でもない。 フツーの高校生だ。
ターゲットになる、いわれも可能性もない。
・・・じゃ、何で女の人になってんの?
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