ナンセンス!
星野が言った。
「 お前の方の環境は、別段、何の問題も無い。 平和そのものだしな。 だが、そちらは違うだろう? 」
そうなんです。 もう、早く戻りたいっス・・・!
僕は答えた。
「 とりあえず、護衛がしっかりしてるからイイけど・・・ 何かあったら、どうしようもないよ。 空手やってるお袋から、多少は、護身術を習ったコトあるけど、実践したコトないし、実際、あまり役に立たないと思うんだ 」
星野は言った。
「 マサと龍二は、信頼していい。 局長の芹沢には、会ったか? 」
僕は、無言でうなずいた。
「 涼子は、突っ走るクセがある。 助勤の正木もだ。 ちゃんと押さえてろよ? 」
よく分かってます。 はい。
「 ところで、お前の親友の、健一ってヤツだが・・・ 」
星野は、健一の方を振り返り、小声で聞いて来た。
「 ・・・ヤツは、アホか? 」
アホっス。 きっちり、アホっすわ。
「 ちょっと抜けたところがあるけど、いいヤツだよ? 」
「 ・・・会話に、ついていけない時があってな 」
「 無視したって下さい 」
「 いいのか? 」
「 ・・・思っきし、いいです 」
「 そうか・・・ 分かった。 どうも、お前の周りの友人は、初めて接するタイプの連中ばかりでな。 やり難い 」
おっしゃる事、ごもっとも。
僕は答えた。
「 マトモなのは、あの、かすみぐらいなモンです 」
星野は、少し笑うと言った。
「 いい子だな・・・ お前にゃ、出来過ぎじゃないのか? 」
いちいち、ごもっともです。
星野は続けた。
「 なるべく、あの子との関係を壊さないように、配慮はするが、保証は出来んぞ? 」
「 有難う。 僕も、努力するよ。 とにかく、一刻も早く元に戻りたいよ。 気を使う事ばかりだ。 特に、トイレが・・・ 」
途端に、星野は、顔を赤くして言った。
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