ナンセンス!
「 お・・ お前っ・・・ み、見たのかっ! 見たんだなッ・・・!? 」
無く子も黙る、鬼龍会 会頭にしては、かなり慌てて狼狽した様子を見せる星野。
やはり女性なのだ。
「 見てないよ、そんなのっ! 」
「 そんなのって・・ どういう言い方してんだよっ! あたしの体なんだぞ! 」
真っ赤になって、問い詰める星野。
落ち着け、落ち着きなさいって・・・!
「 僕だって、どれだけ苦労してんのか、分かってんのか? お前の方こそ、オレの大事な竿・・・ むやみに、引っ張りまわしてんじゃないだろな? 」
「 ・・だっ、誰がそんな事するか! キモチ悪いっ! 用を足す時だって・・ ペーパーを指先に巻いてしてるんだぞっ・・・! 」
う~む・・ 似たようなコト、してますなあ~・・・
星野は続けた。
「 全く持って、迷惑な話しだ。 朝起きて、生えてた時には、気を失いそうだったんだぞ・・・! 」
ふ~ん、僕の時は、無かったからアセったわ。
「 どうせお前・・・ スケベ心満載で、あたしの体・・ これ幸いとばかりに、観察しているんだろう? 変態が! 」
星野は、泣きそうな顔になって来た。
・・・結構、可愛いトコ、あるじゃないか、星野・・・ でもこの際、僕を信じろ。
入れ替わった相手が、健一じゃなくて、良かったね?
しかし、泣きそうになって来た顔は、自分の顔でもある為、見てると少々、気持ち悪い。
「 落ち着けよ、星野・・・! 僕は、そんな変態じゃない。 そりゃ、興味はあるけど・・・ 」
「 それみろっ! やっぱり、お前・・・! 」
「 違うって! かすみに顔向け出来なくなるから、ぐっと理性を保ってるんだ。 もし、かすみとの間が破綻すれば・・・ 歯止めは、利かなくなるがな・・・! 」
星野は、しばらく考えていたが、やがて言った。
「 この、あたしに脅迫をするとは、いい度胸だ・・・! 」
「 脅迫じゃない。 事実だ 」

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