ナンセンス!
少々、取り乱していた星野は、しばらくして落ち着くと言った。
「 ・・とにかく・・・ 変なトコ、いじくり回すんじゃないぞ! 」
「 分かってるよ、そんな事。 恥ずかしくて、出来るかい。 コッチが気絶するわ 」
会話に、あまり時間を掛けるのは良くない。
お互いの生活習慣を助言し合い、持っていた携帯の番号とメルアドを交換し、僕たちは、早々に路地を出た。

コンビニ前では、不安顔のかすみと、健一が待っていた。
龍二が辺りを警戒し、僕の後ろに付く。
戻って行った星野に、健一が尋ねているのが聞こえた。
「 おい、何の話だったんだよ・・・! お前が、鬼龍会の会頭と知り合いだったなんて聞いてないぞ・・・! 」
かすみも、不安そうな表情で、こちらをみている。
ああ・・ 心配顔もまた、可愛いね、かすみ。
僕は、かすみに近付いた。
凛とし、逃げ出さずに、じっと僕を見つめている。 頼もしい。 さすが、かすみだ。 健一は、『 何? 何? 』という表情で、今にも、マッハ3で駆け出しそうな、及び腰である。
僕は、かすみの肩に手を掛けると、言った。
「 ・・・いい彼を持っているな。 大事にせんと、あたしが取るぞ? 」
かすみは、じっと僕を見つめている。
ううっ・・ なんて可愛いんだろう。 その毅然とした、澄んだ目で見つめられると、疑うコトすら忘れてしまいそうだよ・・・!
陶酔する、僕。
かすみの後ろでは、星野が『 早よ、アッチ行け 』というような目をし、顎をしゃくる。
もっと話をしたいが、関係を疑われたら困る。 まあ、今日のこの情況も、星野なら何とか説明を付けられるだろう。
かすみ、またね。
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