ナンセンス!
「 先鋒、星川ァッ! 参いィィ~るッ!! 」
僕は、そう叫んで、残った男を睨みつけた。
「 ・・! ・・? ・・!? 」
あっけに取られている様子だ。 先手必勝! 問答無用! 天下無双! 抱腹絶倒! 交通安全!
僕は、鉄パイプを振り回した。
「 ちょ・・! あぶ・・ 待てって! お前・・ 星川・・! やめろって! おい・・! 」
ブンブンと、唸りを上げて振り回される鉄パイプ。
阿南は、それをかわしながら、僕の攻撃から逃げ回った。
僕は鉄パイプを、闇雲にメチャクチャ振り回しながら言った。
「 姑息な手段を取る、てめえらにゃ・・ 対等な勝負なんぞ、笑止千万ッ! ブッ殺してやるからな、覚悟しとけっ! 」
「 ・・くっ! 調子に乗りやがって、星川ァ~・・! 」
少し、後退りをする阿南。 公園の階段に、かかとが当たり、体勢を崩す。
「 ・・おっと・・! 」
そのスキを、見逃すかあァッ!!
鉄パイプを投げつけ、更に動揺を誘うと、すかさず僕は、ヤツに突進した。
「 ・・この! 」
投げつけられた鉄パイプを払った阿南の顔の前には、僕の腕があった。
ヒゲ親父直伝のラリアットが、決まる。
ぷきゅっ、という情けない声を出して、阿南はひっくり返り、公園の階段に後頭部を殴打した。
『 ゴゴンッ! 』
うわ・・ ヤバそうな、鈍い音が・・・
情けをかけているヒマなど無い。 そのまま僕は、右足を高々と上げると、体をひねって宙に預けた。 右肘に全体重を掛け、阿南の喉元に狙いを定めて落下する。 コレは、死ぬかもしれん・・!
阿南の喉元に、僕の右肘がメリ込む。
・・・何か、ミシッ、て音がした・・・
「 お見事っ! 」
マサが、手を叩いた。

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