ナンセンス！

｢ わずか３０秒です、会頭！　素晴らしいっ！ ｣
龍二も、絶賛の言葉を称する。
阿南は、僕の足元で白目をむき、ピクピクと痙攣している。 やった！　阿南を倒したぞ！　偶然だけど・・・
勝利の感触に酔っていたいところだが、僕には、やるべき事があった。 かすみの救出だ。
｢ アッチの方に、斉木が、どうのこうのって言ってたぞ、コイツ！　行くぞっ！　マサ、龍二ッ！ ｣
言うが早いか、僕は、ころがっていた鉄パイプを引っ掴むと、公園の森の方へ走り出した。
｢ 承知ッ！ ｣
マサと龍二も、後から走って来る。
（ かすみ・・！　かすみ・・・！　今、行くからねええぇェ～・・・！ ）