治験
ただの勘違いかもしれない。

俺の体調が悪いだけかもしれない。

しかし念の為に。

一睡も出来なかった翌朝一番。

俺は貰った名刺に書いてある製薬会社の担当者、遠藤さんに電話してみる。

「もしもし?昨日治験のアルバイトをお願いした村上なんだけど」

『はい、お世話になっております』

「実は…昨日もらった薬…あれを飲んでから腹痛が治まらなくて」

『………えっ…?』

電話の向こう側。

遠藤さんの声が一瞬凍りついたのが分かった。

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