鬼守の巫女
「巫女様に着替えの用意を」
彼のその言葉に女の人は深く頭を下げると、小走りで廊下へと出て行った。
「お前の制服を用意してある。鞄や靴もあるから着替えて来いよ」
彼に促され立ち上がると、廊下に向かって歩く。
その間も、ずっと彼に聞きたかった事が頭を廻っていた。
……お父さんの事。
お父さんはあれからどうなったのだろうか。
廊下に足を踏み入れた瞬間、そっと振り向き思い切って小さく口を開く。