鬼守の巫女

「それから……」

前を向いていた彼が何かを思い出したようにもう一度私を振り返る。

「絶対に一人で行動するな」

「……どうして?」

彼の言葉に首を傾げて見せると、彼は小さくため息を吐いて口を開いた。

「この街にも鬼が出る」

「でも、ここは結界で守られているんじゃ……」

その私の言葉に彼はボリボリと頭を掻くと、頷いて返す。
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