鬼守の巫女

「死ぬんだ」

「……え?」

「お前が死んだ時、俺達もお前と共に死ぬ。そう言う運命なんだよ」

そう言った彼の瞳は切なく揺れ、逃れる事の出来ない運命を皮肉る様に微かに微笑んだ。

「ま、待って……意味が理解出来な……」

「お前が寿命なり、事故なり、自殺なり……何らかの死が訪れたその時、総本家当主朧源、樫月、日向、火伏、眞水、土室、小金井、木住野の当主全員が、死ぬようになっている」

「……そんな」

彼の告げた真実に、視界がグワングワンと揺らいだ。

……私が死ねば、皆が死ぬ?

……そんな馬鹿な事があるの?
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