鬼守の巫女
第九章 木の少年

「ここが皇学園だ」

そう言って彼が指差すその先には、近代的な造りの校舎が建っていた。

大きな黒い校門を、黒い制服に身を包んだ生徒達が次々に通って行く。

生徒達は校門前に立っている私達を窺う様に見ながら、小さく頭を下げて私達の前を通り過ぎて行った。

彼はそれに答える事無く門をくぐると、そのまま校舎へと向かって行く。
< 120 / 912 >

この作品をシェア

pagetop