鬼守の巫女

青々とした葉をさわさわと揺らす木々に、色取り取りに咲き誇る美しい花壇。

彼はそんな光景をボーっと見つめ、微かに笑みを浮かべている。

そんな彼の姿を茫然と見つめていると、ガタガタと騒がしい音が聞こえてくる。

そっと教室の入り口に視線を移すと、さっき教室を飛び出していった生徒が机と椅子を抱えて立っていた。

どれほど急いできたのか分からなかったが、彼の額には汗が滲み、ゼイゼイと肩で息をしている。

彼はその重たい体を引きずりながら木住野さんの席の隣にその机と椅子を置くと、真っ直ぐに私を見つめた。
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