鬼守の巫女

一気に空気が肺に流れ込み、ゴホゴホと咽ながら地面に崩れる様に座り込む。

私から手を放した男はフワリと宙を舞い、それから離れた所にトンと華麗に着地を決めた。

喉を押さえたままそっと真横の塀を見ると、そこには一本の矢が刺さっていた。

青い矢尻のその矢は次の瞬間、水に姿を変えポタポタと地面に滴り落ちる。

滴り落ちたその水は、アスファルトの地面に吸い込まれ……そして消えた。
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