鬼守の巫女
その間に教壇に立つ先生は凄い速さで黒板を呪文の様な文字で埋めて行った。
……ぜ、全然分からん。
黒板に書き出される呪文を見つめたまま、ポカンと口を開け辺りを見回した。
すると周りの生徒はノートにスラスラとペンを走らせている。
……この学校、どうやら私がついて行けるレベルではないらしい。
真っ白なノートが空調の微かな風に揺れるのを見つめたまま、そっと隣の彼を盗み見た。
しかし彼は机に突っ伏したままスウスウと寝息を立てて眠っている。
……ハァ。
心の中で小さくため息を吐くと、呪文の書かれた黒板から目を背け、そのまま隣の彼と同じ様に机に突っ伏し目を閉じた。