鬼守の巫女

「本来巫女の送迎は二人一組のはずでしょう?玲サンはどうしたんですか?」

小金井さんはそう言うと、ワザとらしくキョロキョロと辺りを見回す。

その問いに火伏さんは答えないまま、ジッと彼を見つめている。

……何だか空気が重い。

二人の間には何とも言えない、重たい空気が漂っている様に感じる。

二人はお互いの出方を窺う様に見つめ合ったまま、動かなかった。
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