鬼守の巫女

「何をしている」

急に聞こえた声に振り向くと、そこには眞水さんが立っていた。

その彼の姿を二人は窺う様に見つめる。

「今日はアンタも送迎係のはずでしょ?」

「そうだが……何か?」

小金井さんの問いに彼はシレっと答えると、小金井さんは少し不快そうに眉を顰めた。

「朝は俺の個人的な都合で送迎に来れなかったが、これから捺と二人で巫女様に街を案内に行く予定だ。……なぁ、捺?」

その眞水さんの問いに火伏さんは少し驚いた様に目を見開くと、それから大きく頷いて返した。
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