鬼守の巫女

「そうそう!じゃ……そう言う事だから」

そう言って彼は私の腕を掴むと、そのまま小金井さんに背を向け早足で歩き出した。

その後ろを眞水さんが、少し呆れた様な顔をしてついて来る。

「捺サン!俺は裏切り者は絶対に許さない。つまらない情に流されないで下さいよ?……前火伏家当主の様に」

小金井さんは今まで見せていたヘラヘラとした表情を消し、とても真剣な顔をして火伏さんを睨んだ。
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