鬼守の巫女
「間に合ったみたいだな!鬼守の巫女は返してもらう!!」
そう言って黒髪の男が、赤目の男に刀の切先を向けた。
それと同時にもう一人の男も弓を構え、赤目の男に向かって矢を絞る。
「面倒事は御免でね。お前達の相手は任せるよ」
そう言って赤目の男が小さく手を上げたその瞬間、辺りに黒い影が現れた。
それは次第に姿を変え、そして……おぞましい異形の姿になった。
不気味な色の肌に、頭部から生えた角。
鋭い牙と爪に、妖しく動く尾。