鬼守の巫女

「それは決して赦される事のない恋。しかし私達はその禁忌を犯し、密かに想いを寄せあった」

父はそう呟くと、グッと強く拳を握りしめる。

「だがそれも長くは続かなかった。当時すでに25歳を超えていた遥は、一族に早く次代の巫女を生む事を求められていた。そして先代朧源は無理やり彼女を自分のモノにし、そしてお前が生まれた」

父はそう悲しそうに呟くと、唇を噛み締める。
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