鬼守の巫女

「この子をこの呪われた一族から隠して欲しいと。普通の子として生かしてやりたいと」

「……お母さんが?」

「私はお前を連れて逃げた。一族の者に見つからない様に色んな街を転々としながらな。それから暫くして……遥が死んだと情報を得た。……しかしそれは誰しもが分かっていた事だ」

父は少し自嘲気味に笑ってそう呟く。

「……どう……して?」

私のその問いに、父はとても真剣な顔をして私を真っ直ぐに見つめた。
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