鬼守の巫女
第十四章 襲撃の時

車の窓から流れて行く景色を茫然と眺めた。

隣に座る土室さんは何も話さないまま、同じ様に外を眺めている。

そっと後ろを見ると、この車の真後ろに付ける様に黒塗りの車が走っていた。

その後部座席には、左右を黒服の男に挟まれ火伏さんが座っているのが見える。

彼は私の視線に気付くと困った様に笑った。

……これからどうなるのだろうか。

連れていかれてしまった父の事を思いながら、グッとスカートの裾を握り締める。
< 169 / 912 >

この作品をシェア

pagetop