鬼守の巫女
第十四章 襲撃の時
車の窓から流れて行く景色を茫然と眺めた。
隣に座る土室さんは何も話さないまま、同じ様に外を眺めている。
そっと後ろを見ると、この車の真後ろに付ける様に黒塗りの車が走っていた。
その後部座席には、左右を黒服の男に挟まれ火伏さんが座っているのが見える。
彼は私の視線に気付くと困った様に笑った。
……これからどうなるのだろうか。
連れていかれてしまった父の事を思いながら、グッとスカートの裾を握り締める。