鬼守の巫女

「またお前かよ……ホント何なの?巫女様のストーカーですか?」

そう言って火伏さんはケラケラと笑うと、次の瞬間、彼の手に刀が姿を現した。

銀色の鈍い光を放つその刀を火伏さんが振ると、ヒュンと刃が空気を切り裂く音が聞こえた。

「俺と戦うつもりなのか……面白い」

そう言って男が手を上げると、目の前に黒い影が集まって行った。

それは次第に集まり、そして形を成していく。

……化け物。

その黒い影は数え切れないほどの化け物の姿に変わった。

あの夜に見た……異形の者達。
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