鬼守の巫女
「こっからが本気の勝負だって事だな!」
そう言って火伏さんは笑うと、鬼に向かって走り寄った。
「面白い。お前達が奪った我々の力……見せてもらおうか」
鬼の男はそう言って私の頬から手を離すと、そのまま彼に向かって走って行った。
それから激しい攻防が続き、今度は鬼が押され始める。
「……っ……流石に弱まったとはいえ、結界の中では辛いな」
鬼の男はそう言って困った様に笑うと、火伏さんから距離を取る様に離れた所に着地をした。
「何だ?逃げんのかよ!」
距離を取った鬼の男を嘲笑う様に、彼が不敵な笑みを浮かべた次の瞬間……私の後ろに誰かの気配を感じた。