鬼守の巫女
第十五章 鬼の少年

薄暗い部屋の中で、窓からそっと空を見上げた。

昼間はあんなに晴れていた空は灰色の雲が覆い尽くし、月も星の姿も見えない。

空からは今にも雨が降り出しそうで、微かに雨の香りがする気がした。

「……お腹空いたな」

ぎゅるる~と情けなく鳴るお腹を押さえたまま、悪趣味な真っ赤なシーツの敷かれたベッドに倒れ込んだ。
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