鬼守の巫女

あの後私は鬼の少年の運転する車に乗せられたまま、どこか知らない街に連れて来られた。

車に乗っていたのは時間にしたら二時間ほどで、さほど遠くは無い筈だけれど、車に乗っている間の時間は酷く長く感じられた。

《どこに行くの?》

《私をどうするつもりなの?》

車の中で鬼の男に幾つも質門をしたが、鬼は不敵な笑みを浮かべるだけで何も答えてはくれなかった。

それから町はずれにあるこの不気味な館に連れられ、この部屋に閉じ込められて数時間。

もちろん扉に鍵が掛けられているし、何故か窓は開かない。

小さくため息を吐きそっと辺りを見回す。
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