鬼守の巫女

二十畳以上は軽くあると思う広い部屋には、トイレとお風呂、それと小さなキッチンに冷蔵庫が備え付けられていた。

実はすでに冷蔵庫を開けてみたが、そこには麦茶とオレンジジュースが入っているだけで、空腹を満たしてくれそうなモノは無かった。

部屋の中央にこれでもかとデカイ妖しいベッドが置かれていて、白い壁の一面はクローゼットになっている。

それから黒いソファーに大きなテレビ。

DVDレコーダーにゲーム機器など、とても充実している。

……鬼もゲームとかやるんだ。

ベッドにうつ伏せたままそんな事を思う。

……恐ろしく残酷な存在。

そんなイメージが少し壊れて、微かに苦笑いを浮かべた。
< 193 / 912 >

この作品をシェア

pagetop