鬼守の巫女

「……なんかどこに居ても軟禁状態だね」

少し自嘲気味に笑ってそう呟いた次の瞬間、ガチャリと勢いよくドアが開かれた。

思わずビクリと身を竦め一歩後ずさると、そこには鬼の少年が立っていた。

黒と赤のキャップを目深に被った少年は無表情で、なんの感情も読み取れない。

少年は無言のまま部屋に入ると、テーブルの上に持っていたトレイを置いた。

それと同時にとてもいい香りが漂ってくる。
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