鬼守の巫女

「食べなよ」

少年は無表情のままそれだけ言うと、そのまま部屋から出て行こうとする。

「ま、待って!!」

ゴクリと息を呑んで少年を呼び止めると、少年は表情を崩さないまま静かに私を振り返った。

「これから……私はどうなるの?」

……最近、こんな質問ばかりしている気がする。

そんな事を思ったまま窺う様に少年を見つめると、少年は真っ直ぐに私を見つめて小さく口を開いた。
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